2005年 03月 20日
「ウィリアム・ブレイクのバット」平出隆・「孔雀の羽の目がみてる」蜂飼耳 <読書日記3月#2、3> |
今月読んだ2冊のエッセイは、偶然、著者が両方とも「詩人」という肩書きを持つ人でした。
私は、「詩」というものはまったく読まない。そういう人間が著者の本領であるはずの「詩」の方を読まずに、エッセイのほうを手に取る(しかも、図書館で借りてます…)というのは、あまりいい読者とは言えないかもしれない。
平出隆「ウィリアム・ブレイクのバット」は、いくつかのテーマにそって書かれたエッセイ。架空の国の切手を描きつづけた画家、野球、車を運転することについてなど、どれも2,3ページのエッセイだけれど、連作のようになっていてちょっとした物語性を感じられる。全体にウィットに富んだユーモアが漂っていて、読んでいて心地いい。
蜂飼耳「孔雀の羽の目がみてる」も、テーマに分かれている(旅行、読書など)し、一編2,3ページと言うところが共通している。でも、こちらはすごく生真面目さの出ているエッセイで、起承転結(転はないこともあるけれど)がしっかりしていて、それがちょっと堅苦しい印象。
著者が若いせいかもしれない。少しいい加減なくらいのほうが、エッセイは味が出るよね。
もちろん、「ウィリアム・ブレイクのバット」がいい加減というわけではなく、非常に端正なエッセイなんだけど、読んでいくと、終わりがどこに行き着くのかよめないところがあって、そこが魅力的なのだ。
「詩」というものは、短いセンテンスの中に情報をぎゅうっと詰め込むもの、というイメージがあるけれど、どちらのエッセイも、そういう点では詩人が書いたエッセイ、というのはわかる気がする。ちょっとした言い回しやことばの選び方に注意が払われていて、しんとした美しさや叙情性があるように感じられた。
ウィリアム・ブレイクのバット
平出隆
幻戯書房(04/06)
孔雀の羽の目がみてる
蜂飼耳
白水社(04/08)
私は、「詩」というものはまったく読まない。そういう人間が著者の本領であるはずの「詩」の方を読まずに、エッセイのほうを手に取る(しかも、図書館で借りてます…)というのは、あまりいい読者とは言えないかもしれない。
平出隆「ウィリアム・ブレイクのバット」は、いくつかのテーマにそって書かれたエッセイ。架空の国の切手を描きつづけた画家、野球、車を運転することについてなど、どれも2,3ページのエッセイだけれど、連作のようになっていてちょっとした物語性を感じられる。全体にウィットに富んだユーモアが漂っていて、読んでいて心地いい。
蜂飼耳「孔雀の羽の目がみてる」も、テーマに分かれている(旅行、読書など)し、一編2,3ページと言うところが共通している。でも、こちらはすごく生真面目さの出ているエッセイで、起承転結(転はないこともあるけれど)がしっかりしていて、それがちょっと堅苦しい印象。
著者が若いせいかもしれない。少しいい加減なくらいのほうが、エッセイは味が出るよね。
もちろん、「ウィリアム・ブレイクのバット」がいい加減というわけではなく、非常に端正なエッセイなんだけど、読んでいくと、終わりがどこに行き着くのかよめないところがあって、そこが魅力的なのだ。
「詩」というものは、短いセンテンスの中に情報をぎゅうっと詰め込むもの、というイメージがあるけれど、どちらのエッセイも、そういう点では詩人が書いたエッセイ、というのはわかる気がする。ちょっとした言い回しやことばの選び方に注意が払われていて、しんとした美しさや叙情性があるように感じられた。
ウィリアム・ブレイクのバット
平出隆
幻戯書房(04/06)
孔雀の羽の目がみてる
蜂飼耳
白水社(04/08)
by kilisa-book
| 2005-03-20 13:37
| 日々の読書